よりリアル!? 新車カタログにある、新燃費表示WLTCモードとは!?
国土交通省が2016年10月に発表した、来る2018年10月1日から正式移行となる新しい燃費表示「WLTC」。ちょっと気が早すぎない!? なんていうなかれ。すでに一部自動車メーカーの、一部車種では、先行して現行燃費表示の「JC08モード」に併記する形でカタログに記載しているんです。そのWLTCのポイントを、判りにくいことは一切抜きにして要点だけをまとめておさらいします!
WLTCとはそもそもどんなもので、なんで移行するの!?
WLTCとは世界基準の国際燃費表示規格。じつは現在の燃費表示は、販売する国や地域のルールにあわせて、その都度取り直す(計り直す)必要があり、それが自動車メーカーの負担となり、ひいては価格に少なからず転嫁されユーザーに跳ね返っていた(!?)感が否めず、不効率という意見が以前から指摘されていたようです。
例えば、排出ガス測定規定も含め
日本は「JC08モード」
アメリカは「LA#4モード」
欧州は「NEDCモード」と基準がバラバラ。
同じクルマでも、日本とアメリカでは表示燃費が大きく違うなどがあり得る状況になっています。
ご存じの通り、そもそも現在の日本のスタンダードである「JC08モード」の燃費数値も、実情に近いとは正直言い難く、燃費に近い走りをするクルマは皆無!? と言われるほど、現実味に欠けているのが実情です。燃費に対するユーザー不信は、以前から根強いことは否定できません。
今回のWLTCは、世界基準のルールに燃費表示の統一化を図ることで、効率化を図るとともに、より現実味に近い燃費数値を、段階的4つの区分けで表記(日本は3つ)。同時に、それらの平均的数値を平均的な利用時間を元に算出した、いうなれば総合的数値も表示と、燃費表示がより現実に近いものになっているんです。
実際どんな表示になるの!?
2018年10月1日から全面移行することになっている「WLTC」モードは、
現行の「JC08モード」が、1グレード1表示のみなことに対し、1グレード3表示+平均的数値1表示の4つの燃費が表示されます。
細かいシチュエーションモードを紹介すると・・・・
●市街地モード(WLTC-LOW)・・・・市街地などを中心とした、比較的低速域を想定
●郊外モード(WLTC-MIDIUM)・・・・信号などがあまり多くない、郊外での中速走行を想定
●高速道路モード(WLTC-HIGHT)・・・・高速道路など、高速域を想定
とあります。日本は対象外となりますが、海外では、欧州の一部速度無制限高速道として有名なアウトバーンなどを想定した「超高速モード(WLTC-EXRA-HIGH)」という4つめの区分けもあるとのこと。
気になる「平均的数値」ですが、各モードの平均的な使用時間も加味したうえで算出しているため、「市街地」「郊外」「高速道路」を単純に足して、3で割った数値ではなく、微妙にズレがあります。
ちなみに燃費算出法の変更点は!?
例えば「JCo8モード」ではドライバーの重量加算するものの、スペアタイヤや工具が対象外であったものが、「WLTCモード」ではそれらも対象内とするほか、エンジンの暖まりの状態も一律化。
JC08モードでは
エンジンを掛けた直後の冷えている状態の「コールドスタート」を25%
ある程度暖まっている状態の「ホットスタート」を75%として、合計100%として算出していますが、
WLTCモードでは
100%コールドスタートで統一。エンジンが冷えている場合は、エンジンオイルも硬く抵抗値が高いため、より多くの燃料が消費される傾向にあります。コールドスタートの割合が低い「JC08モード」よりも割合が高い「WLTCモード」は、基本的に数値が低くなるんです。
実際、WLTCモードは、どんなクルマで表示が始まっているの!?
2017年夏頃から先行公開という形で、既存の「JC08モード」との併記という形で公開が始まっています。写真はいま大ヒット中のマツダ・CX-8。「JC08モード」よりも、市街地、郊外は低く、高速は高くなっているのが判ります。
一方、こちらはホンダ・ステップワゴン。見ての通り、WLTCが記載あるグレードと、ないグレード(赤丸部分)がありますよね。これは当該のグレードがWLTC基準での算出ができていないための処置で、算出されているグレードから先行して掲載されています(同社のオデッセイも同様)。現在はまだ移行の猶予期間のため、燃費表示が「ー」でも問題はないようです。
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