【ダイハツ問題】〈知られざる歴史〉と〈トヨタとの深い関係〉
設立は1907年3月1日。実は、日本の自動車メーカーの中で最も古い歴史を持っている。大阪の発動機。略して「大発」。それがダイハツの名前の由来だ。
ミゼット
ミゼットの大ヒットでオート三輪業界を制覇した後、1963年から四輪市場に参入。しかし、既存メーカーたちの壁は高く、顧客獲得のために、まもなくしてトヨタと業務提携に至る。これがトヨタとの出会い。
シャレード
提携後はトヨタのカローラをベースにしたシャルマンなどを生産し、ノウハウを蓄積。そして、1977年、初めてダイハツが独自開発したシャレードが大ヒットし、同年のカーオブザイヤーを受賞。1980年、現在まで続くミラが登場。これによって軽自動車と言えばダイハツと言われるようになった。
ミラ
2009年、OEM供給を本格化。それによって、いち軽自動車メーカーとしてのみならず、トヨタグループの重要な生産拠点としての役割を担うことに。2016年、それまでは緩やかな関係であったが、トヨタがダイハツの株式を100%取得し、完全子会社に。ますます、トヨタグループの軽自動車を含む小型車部門として、ダイハツは大きな責任を担うこととなった。
現在のダイハツのホームページには、
当社は、トヨタグループの中でトヨタ自動車株式会社(以下トヨタ)と株式会社スバル(以下スバル)向けにバラエティに富んだ車両・エンジンを供給しています。トヨタ車の受託生産を1969年に開始して以来、トヨタへのOEM供給、さらには2009年よりスバル向けにOEM供給をするなど、事業を拡大してきました。今後も、生産体制の整備のほかトヨタグループ内での連携を意識しつつ、当社の独自性を発揮することで、グループの発展に寄与したいと考えています。
と誇らしげに記載されている。しかし、寄与どころか、足を引っ張る事件を起こす。
現在出荷停止中のトヨタ車
ルーミーはトヨタのコンパクトカー。ダイハツのトールのOEM版。なお、過去に「ルーミー」は「タンク」という名称で販売されていた時期もある。
ライズはトヨタの小型クロスオーバーSUV。ダイハツのロッキーのOEM版。
コペン GRスポーツはトヨタの軽自動車。ダイハツのコペンのOEM版。
タウンエースはトヨタのワンボックス。ダイハツのグランマックスのOEM版。なお、過去に「タウンエース」は「ライトエース」という名称で販売されていた時期もある。
ピクシス エポックはトヨタの軽自動車。ダイハツのミラ イースのOEM版。
ピクシス バンはトヨタの軽商用車。ダイハツのハイゼットカーゴのOEM版。
ピクシス トラックはトヨタ自動車の軽トラック。ダイハツのハイゼットトラックのOEM版。
プロボックスはトヨタのステーションワゴン。ダイハツが受託生産。
トヨタの見解
ダイハツ問題について、トヨタも正式にコメントを出している。
「認証」とは、お客様に安心してクルマにお乗りいただくための様々な基準を満たしているかを、あらかじめ国に審査・確認いただくものであり、認証の適切な取得は、自動車メーカーとして事業を行う大前提であると考えております。今回ダイハツにおいて、その認証を軽視するような不正が行われていたことは、自動車メーカーとしての根幹を揺るがす事態であると、大変重く受け止めております。
さらに、
弊社としましても、2013年以降、小型車を中心にOEM供給車を増やしており、これらの開発がダイハツの負担となっていた可能性がある事、ならびにダイハツにおけるこのような認証業務の状況を把握出来ていなかった事について、深く反省をしております。
果たして、どんな決着となるのか。ユーザーたちの信頼を取り戻す日は来るのだろうか?
この記事へのコメントはありません。