サンキューハザード

サンキューハザードってなに?いつからあるの?自動車の進化とともに紐解く

 

2017年も師走をむかえて、みなさん忙しくしていることと思います。ハンドルを握る手も強くなり、イライラしてしまうことはありませんか?そんなときこそ深呼吸、急がばまわれです。道路を走るまわりのクルマに気配りをしながら走れたらそれはもうレディース&ジェントルメンですね。
そんな紳士淑女な運転をよくあらわしているのが「サンキューハザード」です。道を譲ってもらったときにハザードランプを2〜3回点滅させて感謝の気持ちを伝える合図ですね。みなさんも一度はみたことがありませんか?
自動車ってひとつの道をたくさんの人で同時に走っていながら、他人に自分の気持ちを伝える方法がほとんどありません。せいぜいブレーキランプの「減速します」「止まります」、ウインカーの「左/右にいきます」ぐらいなんですね。そんななかにハザードランプを点滅させて「ありがとう」があるなんて面白い文化ですよね。そもそもハザードランプは非常点滅表示灯といって、非常事態のときに使うもので「ありがとう」という意味で使うなんて道路交通法では決めていません。自然発生的に生まれたマナーの一種です。なかにはサンキューハザードが嫌いな人もいるでしょう。でも、運転免許証をとりたての頃は、サンキューハザードがだせるようになったらなんか運転がうまくなったような気がして嬉しかったものです。

でもこの「サンキューハザード」っていつからあるのでしょう?80年代頃はそんなことをしているクルマをみた記憶がありません。一部のクルマ好きでは当たり前だったのかもしれませんが、一般的にサンキューハザードをしている人はほとんどいなかったと思います。それが90年代頃になると徐々に増えはじめていたというのが曖昧な記憶ですね。
もしかしたらそのヒントは自動車の進化の歴史を紐解けばなにか答えがあると思い、80年代からクルマのハザードランプがどのような立ち位置にいたのかを検証したいと思います。おそらくハザードランプがよく使われていればいるほど操作しやすい位置にあるはずです。

 

歴代スカイラインのインパネでハザード位置を検証

C210 スカイライン(1977年〜)
80年代からのクルマを検証するにはいまでも脈々とモデルチェンジを続けている車種がいいと思い、スカイラインを選びました。まずは1977年デビューのC210スカイラインです。通称「ジャパン」ですね。写真は1980年式の2000ターボGT-E・Sで検証したいと思います。

こちらがインテリアの写真です。クラクションのボタンとかカーラジオのカタチとかが懐かしすぎて涙がでそうになりますが、パッと見でハザードランプスイッチがありません。思い出しました。この頃のハザードランプスイッチといえば、ここです。

ありました。ステアリングボスの上あたりについています。しかもかなり小さい。ハッキリいって頻繁に使うものならこんな扱いをうけることはないでしょう。おそらく80年代初頭はサンキューハザードどころかハザードランプ自体をつかう人はほとんどいなかったのではないでしょうか?それにひきかえいまでは考えられないくらい大きな灰皿が時代を感じさせます。インパネの1番特等席に鎮座していることから、喫煙者が正義だったのでしょう。

R30 スカイライン(1981年〜)

続きましてみんな大好きR30スカイラインです。R30型は1981年から販売されていますが、写真はみなさんのご期待通り1983年式の2000ターボRSです。もはやハザードランプうんぬんはどうでもよくて懐かしさで涙がちょちょぎれている人も多いのではないでしょうか?思わず西部警察・大門軍団フォーメーションで走りたくなるところですが、ハザードランプスイッチの位置を探しましょう。
ジャパンスカイラインに比べるとかなり進化したインパネになっているので、ステアリングボスの上には見当たりません。しょうがないので、別のグレードの写真を用意しました。


こちらは1981年式のセダン2000ターボGT-E・Xの写真です。ハザードランプスイッチがありました。ターボRSではステアリングスポークの裏に隠れてしまっていて見えなかったんですね。それでも決して操作しやすい位置にあるとは思えません。それよりもハザードランプのマークの横にある「P」のスイッチが時代を感じさせます。これは駐車灯(パーキング灯)といって、スモールランプよりさらに消費電力の少ない電球を光らせて駐車中であることを示すランプです。いまや絶滅危惧種の装備ですね。
さらにいわせてもらえば、このステアリングデザインが斬新すぎるとしかいいようがありません。エアバッグのない時代はステアリングデザインの自由度も高かったのでしょう。

 

7代目スカイラインにしてついに市民権を得るハザードランプ!

R31 スカイライン(1985年〜)


1985年になり7代目に進化したスカイラインからついにハザードランプスイッチに変化がみられました。写真はいまでも伝説の一台としてマニアに間では絶大な支持をうける1987年登場のGTS-Rです。800台限定の希少車です。当時はバルブ時代まっただなかでとにかくクルマも豪華に作られています。そんなこともあってハザードランプスイッチの地位も向上したわけですね。

ついにやりました。ステアリングの裏に隠れていて一部しかみえませんが、そこには間違いなくデカデカとハザードランプスイッチの存在を確認できます。しかもおそらく親切に「HAZARD」と英表記されているという贅沢さ。いままでベンチ入りもままならなかった選手がスタメン入りを果たした気分です。これをもって1980年後半頃からハザードランプの存在感がグイグイと出だしてきていると認定します。
しかし、これではまだダメなんです。それはハザードランプスイッチの位置にあります。通常サンキューハザードをだす際は右手でステアリング操作をして、左手でハザードランプスイッチを押したいところだからです。異論はあるかもしれませんが右ハンドルのクルマは基本的にシフトチェンジをはじめ、エアコンやオーディオなどの頻繁に使用するものは左側にセットされています。なので、この状態でのサンキューハザードはかなりやりにくかったと思われます。

 

R32スカイラインでサンキューハザードはベストポジション!

R32 スカイライン(1989年〜)

時は平成をむかえます。R31スカイラインで地位が向上したハザードランプスイッチは1989年登場のR32スカイラインについにベストポジションにセットされることになりました。写真は名車中の名車である1993年登場のGT-R Vスペックです。当時のニッサンの技術の粋を結集したといっても過言ではないスカイラインは、ハザードランプスイッチの位置だって抜かりはありません。

こちらです。ちょっと光が反射していてわかりにくいですが、間違いなくそこにあります。いまから約29年前にハザードランプスイッチはついに左側の操作しやすいベストポジションに設置されることになったんですね。じつはちょうどこの1980年代後半頃からハザードランプスイッチを左側の操作しやすい位置にしているクルマが多いんですね。つまり、その頃からサンキューハザードを一般的に使う人が多くなったとみていいのではないでしょうか。
ちなみに最新式のクルマをみてみましょう。

R35 GT-R(2007年〜)


スカイラインではないですが、これまでハイパフォーマンスモデルをとりあげてきたのでR35 GT-Rをチェックしたいと思います。写真は2017年モデルとなります。かなりハイテクノロジーの塊のようなインパネまわりですが、ハザードランプスイッチの位置はおわかりいただけますでしょうか?

なんとシフトレバーの近く、エンジンスターターボタンの上に鎮座しております。もはや最重要ポジションといっても過言ではないです(過言です)。インパネスイッチ類においてクリーンナップの3番打者くらいの役割を担っているのではないでしょうか。
しかし、喜びもつかの間にここでひとつ気が付きました。あまりにもいいポジションにあるので調べてみると、ハザードランプは非常点滅表示灯のことなのは先に説明しましたが、その本来の役割は「非常時」です。つまり、非常時に助手席などの同乗者でも押しやすい場所に設置されているということになっています……。
サンキューハザードを使う人が多くなったから使いやすい位置になったのか、ハザードランプスイッチが使いやすい位置になったからサンキューハザードが生まれたのか、その両方を担っているのか、歴史は永遠に迷宮入りでしょう。

 

ハザードランプスイッチを好きな位置にできる!

GARAX・ギャラクス ワイヤレスサンキューハザードシステム

■価格:1万1800円(税別)

そんな時代によっての移り変わりの多いハザードランプスイッチですが、電子系パーツブランドのGARAX(ギャラクス)ではハザードランプスイッチを好きな位置に取り付けられる「ワイヤレスサンキューハザードシステム」を販売しています。


仕組みはワイヤレスの専用ハザードスイッチボタンを用意しているので、好きな位置に設置できるというわけです。

名前の通りサンキューハザードに使いやすいようにステアリングに裏に設置してみたり、インパネの使いやすい設置してみたりと自由。両面テープで貼るだけでOKなんです。


しかも操作は、1回押せばハザードランプが自動で3回点滅して消灯するのでサンキューハザードにもってこい。2回連続で押せば通常通りの点滅を続けるので普通にも使えます。

残念ながらスカイライン及びGT-Rには適合していないのでお気をつけください。

商品の詳しくはコチラ
GARAX・ギャラクス ワイヤレスサンキューハザードシステム

動画でも紹介しているのでチェックしてくださいね!

ARVE Error: Mode: lazyload not available (ARVE Pro not active?), switching to normal mode




 


関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。