トヨタ系ディーラーの統合で、どうなる!?
まだ東京だけの話だが、2019年4月からトヨタ系ディーラーが統合されているのをご存知だろうか。これまであった4系列の販売店を統合し、すべてのトヨタ車が、すべてのディーラーで買えるようになっているのだ。
そして、2020年5月。まもなくすると、この動きが全国に広がる。果たして、これは良いことなのか、悪いことなのか。先行して統合された東京での動きはどうだったのか。
★トヨタ店…戦前戦後にかけてトヨタの発展を支え、約70年以上の歴史を持つトヨタ車販売のパイオニア的なチャネル。歴史と伝統に裏打ちされた上質なおもてなしを展開している販売チャネル。
★トヨペット店…1953年に設立されたトヨタで2番目のチャネル。コロナやマークⅡを中心に時代を切り拓き、常に日本のミディアムカー市場をリードしている販売チャネル。
★カローラ店…1961年にパブリカを扱うパブリカ店として営業を開始し、その後1969年、カローラ店に名称を変更。ロングセラーを続けるカローラをはじめ、豊富な品揃えの量販チャネル。
★ネッツ店…2004年にネッツ・ビスタ両チャネルが融合し、新しい「ネッツ店」が誕生。ヴィッツ等のコンパクト車種や、ヴォクシー・ヴェルファイア等のミニバン車種などをラインナップし、トヨタの新しいお客様層を拡げていくチャネル。
●値引きについて。
4系列の販売店が統合されたことで、各店舗同士の競合がなくなった。商談情報はコンピュータで一括管理。そのため、ユーザーがあっちの店舗で見積もり、こっちの店舗で見積もり、そして、安い方で買うということができなくなった。ちなみに、そんな動きをユーザーがとったとしても、優先権は最初に交渉した店舗の営業マンにあるそう。つまり、値引きに関しては、ユーザーは不利益、ディーラーは利益を得たことになる。
●専売モデルが消滅。
今までは4系列の販売店で、それぞれ販売する車種が異なっていた。そのため、ユーザーはそれに合わせて、それを売っているディーラーに行かなければならなかった。販売店が統合されたことで、どこの店舗でも、どのクルマも買えるというのはユーザーにとっては嬉しい変化だろう。
例えば、アルファードはトヨペット店、ヴェルファイアはネッツ店の専売モデルだったが、今後は全店で取り扱う。今まではアルファードとヴェルファイアを見比べて検討することはできなかったが、それができるようになるわけだ。
●ディーラー数、激減!?
そして、今後待ち受けているのが、超熾烈な店舗間競争。同じ車種を扱う店舗が同じ地域にある場合、次第に売り上げに差がつき、売れていない店舗はなくなる……。これは営業マンにとっては辛い現実である。2020年5月。全国に広がるトヨタ系ディーラーの統合。一体、どんな結果が待ち受けているのか。買う方も売る方も幸せになるのが一番なのだが……。
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