【VALINO】開発期間が長い理由。キーワードはTRY THE PERFORMANCE

ヴァリノがタイムアタック向けのグリップタイヤに力を入れ始めている。大阪オートメッセ2024で初公開されたのが、次期フラッグシップモデルの「VR08GP EVO」の試作品。すでに2年に渡って開発を行ってきたが、さらに一般ユーザーによる「TRY THE PERFORMANCE」を経て、来年の2025年に正式リリースする計画を立てている。

ヴァリノが手掛けるタイヤは正式発売までに時間がかかる。「それはどうしてなのか?」と尋ねると、「もちろん、それは最高を目指しているからです」とヴァリノの清水さんは即答した。

「まずは試作を幾つも作ります。その上で、アタックの青木さん、プロドライバーの黒沢さん、ヴァリノドライバーの植尾さんを筆頭に、最高のドライバーたちに徹底的にテストをして頂きます。そして、ようやくテストをクリアしたのが、ここにあるVR08GP EVOの試作品なんですよ」。

プロによるテストをクリアしても、すぐに正式発売とはならない。その後に待っているのは「TRY THE PERFORMANCE」。試作品を一般ユーザーに安く提供し、その代わりに評価をフィードバックしてもらうというシステム。ヴァリノは、この「TRY THE PERFORMANCE」を何よりも重要視している。

「自分たちだけが良いと思っても仕方がない。実際に履くのは一般ユーザーなんです。一般ユーザーが自分のクルマに履かせてみて、どう思ったのか。これは何よりも欲しい貴重な情報なんです。過去にはTRY THE PERFORMANCEでの評価がイマイチということで、あと一歩のところで正式リリースに至らなかったタイヤもあります。僕たちはそれぐらい一般ユーザーの意見を大切にしています」。

気になるのは「VR08GP EVO」の性能。どんなこだわりが詰め込まれているのだろうか?

「目指したのは一発の速さ。そのためにVR08GP EVOはスチールワイヤーではなく、カーボンケブラーワイヤーを採用しています。カーボンケブラーワイヤーは剛性が圧倒的。ゆえに使えるエアの幅も広くなる。

一発を出すためには内圧を抜いて、縦トラクションを稼がないとならないわけですが、その調整が非常にしやすいタイヤになっています。このVR08GP EVOの特性をTRY THE PERFORMANCEで一般ユーザーたちがどう評価するのか。非常に楽しみにしています」。

ヴァリノが手掛けるタイヤは、プロ目線、ユーザー目線、その両方からの高い評価を得て、ようやく市販化される。だから、ヴァリノのタイヤは正式発売までに時間がかかるわけだ。

ヴァリノの次期フラッグシップモデル「VR08GP EVO」。正式リリースは来年の2025年。その時、どんな仕上がりになっているのか、今から楽しみで仕方がない。


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