世界中でトレンドの予感?「マイルドハイブリッド」を徹底解説
マツダからコンパクトSUV「MX-30」が10月8日に発売。既存の直噴ガソリンエンジン・SKYACTIV-G 2.0と組み合わせた「マイルドハイブリッド」システムが搭載されていることが注目されていますが、近頃「マイルドハイブリッド」という言葉をよく目にしますよね。例えばプリウスが搭載しているようなハイブリッドシステムと何が違うのかご存知でしょうか?今回は世界的に増殖している「マイルドハイブリッド」にクローズアップしてみましょう。
ハイブリッドには大きく分けて「ストロング」と「マイルド」の2タイプが存在
ハイブリッドシステムには方式によって「ストロングハイブリッド」と「マイルドハイブリッド」の2種類が存在します。
ストロングハイブリッドはその名の通り、強く大きなモーターを車に積んでモーターのみでの走行が可能なのが特徴です。低速走行時にはモーターの力で走り、高速走行ではエンジンを使ったりと、どちらかを優先して使用するのではなく走行シーンに合わせて最適な配分がなされます。
対してマイルドハイブリッドは、モーターの役割は最もガソリンを消費するエンジンの起動時や車の発進時、加速走行中のアシスト程度に制限しています。モーター自体の大きさもストロング形式と比べて小型化されており、モーターだけで走行できるほどの出力はありません。低燃費という観点で比べたらストロング形式に軍配が上がりますが、マイルド形式ならではのメリットがあるんです。
「マイルドハイブリッド」のメリット・デメリット
メリット
ストロングハイブリッドと比較して、パーツをシンプルに設計・配置することができ、さらにパーツ点数も少なくなるんです。それによってメーカー側にはコストを削減できて、車輌本体価格も低く抑えられるということです。また部品の小型化により車内スペースを広く確保できます。
自動車メーカー側の都合を考えると、莫大な開発費用を必要とするストロングハイブリッドよりも、安価かつ部品も調達しやすいマイルドハイブリッドの方がエコカー市場に参入しやすいというメリットもあるのではと推測されます。
デメリット
ストロングハイブリッドの「簡易版」とも考えられるので、モーター単体で走ることができないマイルド形式は、絶対的な低燃費性能でストロング形式に劣ります。またガソリンエンジンを使わずにモーターのみで走っている最中は排ガスも削減しているため、環境性能という点で限定的な効果しか発揮できないという側面もあります。
マイルドハイブリッドに対して世界の自動車メーカーの動き
日本国内ではメーカーと消費者ともに「いかに燃費を伸ばすか」ということに注目されがちで、マイルドハイブリッドは一般的ではありませんが、欧州メーカーをはじめとして世界ではマイルドハイブリッドの動きが顕著に表れています。
フォルクスワーゲン・ゴルフの現行モデルやメルセデスベンツのSクラス、さらにはアウディのハイエンドスポーツモデルRS7にもマイルドハイブリッドが採用されています。
低コストでの開発と生産が可能で車体コストを抑えることができ、さらにはユーザーも安くハイブリッドカーを購入できるマイルドハイブリッド。今後もますます勢いを伸ばしていきそうなトレンドワードに注目です。
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